「勉強しなさい」はもう2度と言わない。子どもの心が動く魔法の言葉かけの仕方。

前回の記事では、「勉強しなさい」という言葉が、心理的リアクタンスによって子どものやる気を削いでしまう可能性についてお話ししました。

では、子どもが自ら「やってみよう」という気持ちになるためには、どのような言葉をかければ良いのでしょうか?🤔


プロ家庭教師として日々、多くの親御さんやお子さんと接する中で見えてきたのは、「ほんの少しの言葉の変換」が、驚くほど大きな変化を生むという事実です。

ここでは、つい口にしてしまいがちな言葉を、子どもの心に届く「やさしい声かけ」に変える具体的な方法をご紹介します。


「早くやりなさい」ではなく「一緒に頑張ろうか」


子どもが宿題を前にして、なかなか手を付けずにいると、見ている側はもどかしくなり、「早くしなさい!」と急かしたくなります。

しかし、この言葉は子どもに強いプレッシャーを与え、焦りや萎縮につながります。


そんな時こそ、「お母さんも隣で仕事するから、一緒に頑張ろうか」と声をかけてみてください。

ポイントは「一緒に」という連帯感です。

子どもは「監視されている」「怒られている」と感じる代わりに、「応援してもらえている」「独りじゃない」と感じることができます。


親が隣で静かに本を読んだり、家計簿をつけたりするだけでも、その「共に取り組む空気」が、子どもの背中をそっと押してくれるのです。


「なんでやってないの?」ではなく「これからやってみようか」


まだ手つかずのドリルを見て、「なんでまだやってないの?」と問い詰めてしまうことはないでしょうか。

この言葉は、子どもを責めている響きが強く、本人も「やらなきゃ」と思っている時ほど、心を深く傷つけ、やる気をさらに低下させてしまいます。 


過去の行動を責めるのではなく、未来に目を向けた言葉を選んでみましょう。

「さあ、これからやってみようか」「今からならすぐに終わるかもね」。

このような前向きな言葉は、子どもに「まだ大丈夫だ」という安心感を与えます。

責められる恐怖から解放された時、子どもは新たな一歩を踏み出しやすくなるのです。


「どうしてこんなに遅いの?」ではなく「前より進んだね」


子どもの進捗が思うようにいかないと、ついイライラが募り、「まだ終わらないの?」といった言葉を投げかけてしまいがちです。

しかし、子どもは子どもなりに、自分のペースで一生懸命取り組んでいるのかもしれません。


大切なのは、進んだ量や速さという「結果」だけを評価するのではなく、その過程にある「努力」や「変化」に目を向けることです。

、「昨日よりも集中できているね」「この問題、粘り強く考えたんだね」。

自分の頑張りを見てもらえているという実感は、子どもの自信を育み、「次も頑張ろう」という意欲の源泉になります。


これらの声かけは、単なるテクニックではありません。

子どものありのままを認め、その成長を信じるという、保護者の温かいまなざしの表れなのです。

次の記事では、さらに踏み込んで、子どもの自己肯定感を育む関わり方について探っていきます。