【プロ家庭教師の体験談】リビング学習で集中できない?見直したい3つのポイント
近年、多くのご家庭で取り入れられているリビング学習。親の目が行き届き、わからないことをすぐに質問できるといったメリットがある一方で、「周りが気になって、子どもがどうも集中できていない」という声も少なくありません。
家族が集まる空間だからこそ、学習の妨げになる要素が存在するのも事実です。もし、お子様のリビング学習がうまくいっていないと感じるなら、それはやり方が合わないのではなく、環境の整え方に改善の余地があるのかもしれません。今回は、リビング学習の効果を最大限に引き出すために見直したい、三つの環境づくりのポイントをご紹介します。
学習空間を明確に分ける
リビング学習でまず意識したいのは、空間の「ゾーニング」です。つまり、くつろぐ場所と勉強する場所を、意識的に区別することです。例えば、「食事をするダイニングテーブルの、この一角だけを勉強スペースにする」「勉強の時間になったら、専用のマットを敷く」といったルールを決めるだけでも、お子様の気持ちの切り替えはスムーズになります。
大切なのは、勉強を始めるときに、視界に入るおもちゃやテレビのリモコンなどを片付けることです。物理的に学習に関係のないものを視界から排除することで、「ここから勉強の時間」というスイッチが入りやすくなります。専用の勉強部屋がなくても、こうした少しの工夫で、リビングの一角を質の高い学習空間に変えることは十分に可能です。
生活音との上手な付き合い方
リビング学習における大きな課題の一つが「生活音」との付き合い方です。キッチンからの調理の音、下の子が遊ぶ声、テレビの音など、家族が過ごす場所である以上、音を完全になくすことは難しいでしょう。しかし、お子様はこうした音に非常に敏感で、集中力が途切れる原因になりがちです。
だからといって、家族全員が息をひそめる必要はありません。むしろ、静まり返った環境は、些細な物音をかえって目立たせてしまうこともあります。解決策の一つは、勉強の妨げにならない「心地よい音」を取り入れることです。
例えば、単調なリズムのインストゥルメンタル音楽や、川のせせらぎといった自然音などを小さな音で流すことで、気になる生活音を和らげ、集中しやすい環境をつくれる場合があります。どの音がお子様に合うか、いくつか試してみるのも良いでしょう。
家族で「集中時間」を共有する
三つ目のポイントは、時間管理を家族で共有することです。お子様一人に「勉強しなさい」と促すのではなく、「今から20分はみんなの集中タイムにしよう」と提案してみましょう。お子様が宿題に取り組む間、親御さんは読書をしたり、静かにできる家事をしたりと、家族それぞれが自分の作業に集中するのです。
こうすることで、お子様は「自分だけが頑張っている」という孤独感を感じにくくなります。また、「この時間だけ頑張ればいい」という明確なゴールが見えることで、学習へのハードルがぐっと下がります。
キッチンタイマーなどを使い、時間の区切りを音で知らせるのも効果的です。家族の中に流れる「集中する空気」は、お子様にとって何よりの応援となり、リビング学習の質を高めてくれるはずです。
まとめ
リビング学習は、家族のコミュニケーションを深めながら学力向上を目指せる、優れた学習方法です。もし、現在その効果を十分に感じられていないのであれば、ぜひ「空間の区別」「音の工夫」「時間の共有」という三つの視点を取り入れてみてください。
家族の少しの協力と工夫で、リビングはお子様にとって最高の学習空間に変わる可能性を秘めています。親子で一緒に試行錯誤しながら、ご家庭に合ったリビング学習のスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。