そのごほうび、逆効果かも?子どもの勉強のやる気を引き出す「正しいごほうび」3つのルール
「うちの子、なかなか勉強してくれなくて…」 「ゲームばかりで、自分から机に向かうことがない…」
そんなお悩みを抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。解決策の一つとして「ごほうび」を思い浮かべるのは、子どもを思う親心としてごく自然なことです。
しかし、ごほうびの与え方を間違えると、かえって子どものやる気を削いでしまったり、ごほうびが無いと何もしない子になってしまったりする危険性があります。
この記事では、私のプロ家庭教師としての経験と教育心理学の観点も踏まえ、子どもの内側から学習意欲を引き出す「正しいごほうび」の基本ルールを3つご紹介します。
やってはいけないNGごほうび:「大きなごほうび」が子どもの心を壊す訳
多くの保護者の方が陥りがちなのが、「期末テストで全教科80点以上取ったら、新しいゲーム機を買ってあげる」といった「大きなごほうび」を「たまに」与える方法です。
一見、子どものモチベーションになりそうですが、この方法には2つの大きな落とし穴があります。
大きなご褒美をたまに与える落とし穴
- 高すぎる目標で挫折しやすくなる: 目標達成までの道のりが長すぎて、「どうせ無理だ」と途中で諦めてしまう可能性があります。
- モノでしか釣れなくなる: 高価なごほうびに慣れてしまうと、次第により大きな刺激を求めるようになり、最終的にはごほうびが無いと全く勉強しないという状態に陥りかねません。これは、勉強そのものの楽しさや達成感といった「内発的動機づけ」を失わせる原因になります。
子どもの勉強が続く!効果的なごほうびの3つの鉄則
では、どうすれば良いのでしょうか。子どもの学習習慣を育てるための3つの鉄則をご紹介します。
鉄則1:ごほうびは「小さく、頻繁に」で習慣化を促す
効果的なのは、「小さなごほうび」を「こまめに」与えることです。毎日の小さな頑張りをその都度認めることで、子どもは「努力は報われる」と実感し、勉強が日常の習慣になります。
- (具体例)
「今日は30分集中して宿題ができたね」と声をかけ、お気に入りのシールを1枚カレンダーに貼る、好きなおやつを一つ選ばせてあげる、など。
鉄則2:タイミングが命!「できた」瞬間の声かけが一番効く
ごほうびはタイミングが非常に重要です。子どもが「できた」「頑張った」その瞬間に、すかさず褒めてあげましょう。
- (具体例)
「難しい問題から逃げずに最後まで取り組んだね!」「昨日より5分長く集中できたじゃない!」など、具体的な行動を褒めるのがポイントです。
時間が経ってから言うよりも、その場で声をかける方が、子どもの心に深く響き、自己肯定感を育みます。
鉄則3:親子で無理なく「続けられる」ごほうびを選ぶ
ごほうびは、必ずしもお金がかかるものである必要はありません。むしろ、家計に負担がなく、親が無理なく続けられることの方が重要です。
- (お金のかからないごほうび例)
- 一緒に散歩に行く
- 好きなテレビ番組を一緒に見る
- お手伝いを一回お休みできる券
- 寝る前の絵本の時間を10分延長
大切なのは、子どもが喜び、かつ親が負担に感じないごほうびを親子で一緒に考えることです。
まとめ:ごほうびは親子のコミュニケーションツール
子どもの勉強習慣を育てるためのごほうび活用法、いかがでしたでしょうか。
ごほうびは、単に子どもを動かすための「アメ」ではありません。子どもの小さな成長を見つけ、頑張りを認め、親子の絆を深めるための大切なコミュニケーションツールです。
今回ご紹介した3つのルールを参考に、ぜひお子様に合ったごほうびの形を見つけてみてください。
次回は、ごほうびを試してもうまくいかない時の原因と対処法について、さらに詳しく解説します。