受験生の子どもを伸ばす「完璧でない」親の姿勢
新学年を迎え、多くの親御さんが子どもの成績向上と合格のために奔走していることでしょう。
しかし「完璧な親」を目指すことが、実は子どもの成長を妨げているかもしれません。教育心理学の観点から見ると、子どもの自立心や問題解決能力の発達には、親が「完璧でない」ことも大切です。
今回は受験生を持つ保護者に向けて、プロ家庭教師として多くのご家庭を見てきた背景から、子どもの可能性を広げる親の姿勢について考えてみました。
過保護が奪う「失敗から学ぶ力」
塾の人間関係や、とても難しい問題に取り組んでいるお子さまを見て、もどかしい気持ちになる親御さんも多くいます。
しかし、何かに取り組む際、解けない問題があるとすぐに解答や解説を教えるのではなく、「どうアプローチすればよいか」を一緒に考える時間を持つことが重要になります。そうすることで、たとえ時間がかかっても、自分で考え抜く過程で思考力が鍛えられます。
子どもが失敗しそうな場面を見るのは親として辛いものですが、小さな失敗体験が将来の大きな成功につながるのです。
特に受験という大きな山に向かう時期だからこそ、日々の小さな失敗から学ぶ機会を大切にしましょう。
「自分で選ぶ」経験が決断力を育てる
「この参考書と問題集、どちらがいいと思う?」
このような問いかけをしているでしょうか。
それとも「この参考書を買ったから、これでやりなさい」と決めてしまっていますか?
受験勉強においては子どもに頑張る手段の選択をさせることが非常に重要です。
勉強法、参考書、模試の受験時期、志望校の選択—様々な場面で子ども自身に決断させる経験が、将来の意思決定能力を育みます。
もちろん、全てを任せるわけではありません。選択肢を絞り、その中から選ばせるという方法も効果的です。
私立か国公立か、文系に強い学校か理系に強い学校かなど、といった大きな決断においても、最終的には子ども自身の意思を尊重することが、責任感の醸成につながるのです。
そうすることで入学してから「なんか合わないし学校に行きたくない」ということを避けられる側面もあります。
完璧主義のプレッシャーから解放する
「今回の模試で5点上がったね、でもここをもっと頑張れば…」
ついつい結果ばかりに目を向けて、できていない部分を指摘していませんか?親からの高すぎる期待が、子どもの試験不安や自己効力感の低下につながることがあります。
受験は確かに重要ですが、それ以上に重要なのは、子どもが「失敗しても大丈夫」という安心感を持つことです。
完璧な結果を求めるよりも、努力のプロセスを認め、小さな進歩を一緒に喜ぶ姿勢が、子どもの学習意欲を高めます。
また親自身が「完璧でない」姿を見せることも大切です。
何か知らないことがあった時や道に迷ったときでも良いです!そんな時に「ごめん、これわからないな」と正直に伝え、それでも前向きに対処する姿を見せましょう。
そうした親の姿が、子どもに「完璧でなくても大丈夫」というメッセージを伝えるのです。
受験期に親ができる三つの具体的アプローチ
受験生の親として、どのように接すれば良いのでしょうか。
三つの具体的アプローチ
- 見守る勇気を持つこと。
- 失敗する経験をさせる余裕を持つこと。
- 親が完璧でないことを認めること。
まず「見守る勇気を持つ」こと。勉強計画の立て方に悩んでいる時、すぐに解決策を提示するのではなく、子ども自身が考える時間を確保しましょう。
次に「失敗を経験させる余裕を持つ」こと。子どもであっても一人の人間として選択する自由を与え、責任ある行動を促す機会を意図的に作りましょう。
そして「親も完璧でないことを認める」こと。親であっても全てを知っているわけではないと正直に伝え、必要に応じて一緒に調べる姿勢を見せましょう。
完璧な合格よりも、成長する力を
受験は確かに人生の重要な岐路です。
しかし、その先にある大学生活や社会人生活を見据えると、試験の点数以上に「自分で考え、選択し、失敗から学ぶ力」が重要であることが分かります。
完璧な親でなくても大丈夫です。
むしろ、完璧を目指さない親だからこそ、子どもは本当の意味で強くなれるのです。
受験というプレッシャーの中にあっても、親子で一緒に成長していく姿勢こそが、子どもの可能性を最大限に引き出す鍵となるでしょう。
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